2006年8月15日 広島テレビ「テレビ宣言」で紹介をされました
2006年8月15日 広島テレビ「テレビ宣言」で紹介をされました 
 
 
今日ご紹介する仕事人は時計に関する仕事人なんですが、その名も"さとう時計店"
名前からは想像もつかないほどもの凄い時計屋さんなんです。ご覧ください。

福山市の山手町にやって来ました。ちょっと気になる建物がありまして、ここがその"さとう時計店"らしいのですが、これ・・・民家ですよね。
住宅街の中にあるさとう時計店。一見すると普通の民家にしか見えない佇まいですが 

今日の仕事人いったいどんな方なんでしょう?「コンニチハ広島テレビの森と申します」こちらの佐藤昌三さんが今回の仕事人です。

さとうさんのお店には新品の時計は一切ありません。あるのは年代物の時計と作業机だけ。
実はこのお店。修理専門の時計店で佐藤さんは時計修理専門の職人さんなんです。

「修理というどう言うトラブルというか」
「そうですね、ゼンマイ式の時計がメインなんですけどね」「あのお・・ゼンマイで動く時計というのはね。
大体4年に1回くらいオーバーホールしないといけない」
佐藤さんはこう言った電池式の時計ではなく、ゼンマイで動く時計の修理を専門に行います。電気的な動力をいっさい使わない 動くゼンマイ式の時計は構造が複雑でメーカーが違えば中身も全く違います。
ところが佐藤さん修理やメーカーを問わず機械式の時計であれば修理メンテナンスが出来るそうで、このような職人さんは全国的に見ても、
たいへん珍しいんです。

「じゃぁ全国から依頼が来るんですよね」  「そうなんです」

おお!!さっきまで動いていましたが゜・・本当に小さな部品をいとも簡単に外していく佐藤さん。
ゼンマイ式の時計でも腕時計は部品が小さく、壊れやすいため、それぞれの役割を十分理解した上で分解しないといけないんです。

       「ここの部分の見事な腕裁きは動画をご覧ください  こちら (32メガバイトあります。気長に表示されるのをお待ちください)」

          長年ここのホームページ私が作成をさせていただいていますが、テレビの編集がうまいのか、超技巧にビックリしました。
 
そんな部品を外していくと・・・「こういう風に歯車がね・・・」「おーきれいですね」普段は決して見ることが出来ない時計の内部。歯車のすぐそばにあるのが・・機械式時計の命とも言うべきゼンマイです。「これ香箱車と言うんですけれどね」「この中にゼンマイが入っているんです」これがゼンマイ。へぇ〜
             
これで30時間とかそれだけ動くんです。「小さく渦巻き状の物がちょっと見えますね」そうですあの部分がゼンマイなんです。この爪の先ほどの大きさがゼンマイなんですが、こんな部品の数々、佐藤さん分解修理だけではなく壊れている物はこうして部品を作ることも出来るんですよ。
顕微鏡を覗きながらの作業は何を作っているかカメラで撮影が出来ないほど、精密な物なんです。で・・顕微鏡で見ることが出来るんです。心棒という部品なんですが、細さナント髪の毛とほぼ同じ0.08mmと言う「これを作っちゃうんですか!!」はい。部品作りを含めて修理が出来ることこそ、佐藤さんが全国的にも珍しい職人さんと言われている由縁なんです。心棒を含め時計全体で50近くにも及ぶ部品の数々。その一つ一つを専用のかごに入れて長い年月をかけて付いた汚れを落としていきます。
ピカピカに部品がきれいになりました。油を差していきながら組み立て直せば腕時計のオーバーホールは完成です。さぁ!新しい時計の息づかい聞いてください。「このカチカチという音がですね」「静かで力強く、味がありますよね」
腕時計以外でも、懐中時計や掛け時計など歴史と思い出が詰まった時計にも、新たな息吹を吹き込む佐藤さん 古い時計だからこそ、自分の知識と技術を精一杯出して行かなければならないと佐藤さんは言います。「良い時計でも部品がないから直りませんと言うことになれば、持ち主の方も本当に残念だと思うしね」まぁ「大きい意味での文化財が死ぬような感じになる」「とにかく古い時計が来れば来るほど力が入るんですよね」
佐藤さんが直した時計はこれまでの思い出を蘇らせるだけではなく、これからの新たな思い出も刻む事になります。
そんな時計の魅力はいったい何なんでしょうか??
「クオーツの時計は音が出ないですからねカチコチと」ゼンマイで動く時計は音がするでしょう。あの音が私にとっては心地よい音でね。やっぱり時計は動かなければ 時間は少々狂っても、ネジを巻いたら動かないと時計の価値は無いですからね
 
 
実は佐藤さんに毎年ニュースで会っているんですよね。記念日にからくり時計を作っていらっしゃる。
「あれは全作、佐藤さんの作品なんです。実はご自宅にも今までの作品がズラーッと並んでいたんですけれども、不思議な世界ですよね」こんな大きさなんですが、この中に全く電気の力が入っていない、機械だけでカチコチカチコチ動いていく。そう言った、世界をですね。佐藤さんの手が作っていく。で、こういった部品をなぜ作らないといけないのか、
今はメーカーさんの作ってない部品もたくさんあるんですよ。ですから佐藤さんが居なくなるともう、修理が出来ないと言う時計が世の中に沢山あるんです。ですから佐藤さんは長く続けて いつまでも動く時計を作り続けて行かなくてはならないなと話していました。
んじゃぁ"大きなノッポの古時計"も佐藤さんの手に掛かればチクタクちくたくと時を刻むんですよね・・