2007年6月21日
NHKお昼前のニュースで紹介されました
ヒューマンウオッチングのコーナーです リポートは山上ゆうこさんです 今日は時計職人の話題なんですね。

そうなんです最近アンティークブームで古くなった、家に眠っている時計を新しく修理をしてまたさらに使おうという人が増えているんですね。

その修理の出来る職人さんが福山市にいました。時計職人の技をご覧下さい。

 

作業をしているのは福山市の時計職人佐藤昌三さんです。
佐藤さんはこの道45年の大ベテランです腕時計・懐中時計・柱時計など時計全般の修理を
専門に扱っています。

県内外はもちろん海外からも修理の依頼が来るそうです。

元々機械いじりが好きだった佐藤さん。時計の魅力に惹かれて20歳の頃本格的に時計の
仕組みを勉強しました。その後仕事を辞め時計店で修行をしました。

公認高級時計師の資格を当時史上最年少で取ったことをきっかけに 自分の店を開きました。
 
佐藤さんには作業をするときコダワリがあります。

必ずドアを閉めて白衣を着ます。
万が一小さな部品が飛んでしまっても、見つけやすくするためです。

特に細かい作業をするときには、家族が寝静まった夜に集中して行います。

これは最近佐藤さんが修理をした江戸時代の時計です
持ち込まれたときには部品が不良品だったり欠けたりしていました。そこで佐藤さんは歯車など
6っつの部品を手造りしたんです。

「針も佐藤さんが作ったんですよ〜」「飾りが付いています」

部品を作るといっても400年前の時計ですから設計図が残っていません

海外の文献で手がかりを見つけています。 「あ!同じような物を探すんですか?」

「はい」

細かい部品を作るときには双眼顕微鏡を使います。

「これ 画面の右を見てください。わずかに動いているんですけれども・・」 針のような
細さなんです。

時計を決める重要な部品"天心"を作っているんです。一瞬も気が抜けません。
「最初 コツコツ動き出した感激というのはうれしいですよ。」
「これがあるからまた、次を作ってみようかなと、原動力になるんです」
 
「これまでたくさんの時計を修理してきた佐藤さんでさえも修理できない時計がありました」
そんなとき助けてくれたのが奈良県の時計職人戸田みつよしさんです

戸田さんは江戸時代の時計を1,000台も修理してきたスペシャリストです
ふたりは27年前出会いました。戸田さんが5年前亡くなるまで手紙やファックスのやりとりで
たくさんのことを教わったと言います。
「凄いですわ・・完全に頭に入っている」「だからさっさっさと図面が書けるんでしょうね」

「もう、大師匠です。まだまだ聞きたいことが沢山あったのですけれど、残念なんです」
佐藤さんは自分の腕を上げるために毎年6月10日の時の記念日に向けてからくり時計を
作り続けてきました。
「この上の小さな窓ありますよね」見てください 女の子と男の子が顔を出しているんです。
これ・・こういう風に後ろはなっているんですよ 良くできていますね
2004年の作品ベルプレーヤーです

こちら去年の作品 万華鏡です
アワビの貝のキラキラした部分を使いました。この回っているぶんですね 「はい」
今年で30作品目が出来上がりました。鉄棒少年 りゅう君です

佐藤さんのお孫さんのりゅうすい君が最近興味を持っているのが鉄棒なんです。
そこでこのカラクリにしました。

完成までに4ヶ月。400時間かかったそうです

1時間に一度りゅう君の回転を楽しめるよう時計の動力を伝える仕組みを工夫しました。
なんと1ヶ月かかったんです。時計の台座を少しずつ調整して完成しました。
「これでやっと完成しました。やれやれです」
近所の保育園の子供たちが毎年、からくり時計の完成を楽しみにしています。

 「鉄棒少年 りゅう君です」「りゅうくん・・・5歳」
「キンコンカンコン・・」「凄〜い」
佐藤さんは子供たちに時計作りに興味を持ってもらいたいと言います
最後に必ず質問を受けます
「なんでからくり時計の手が動くン?」
「これはねおじさんが苦労して作ったンよ」
「カラクリの手が動くように 丸い部分の中に装置をつくったんよ。凄い長い時間をかけてね」

最初頃見に来られた方は、もう成人していると思うんですよね
その中でひとりでも時計屋さんになって あー佐藤さんが昔、カラクリを作っとったなぁ
ボクもやってみよう と言う人が出てくれば良いなと思っているんです。
今64歳ですけれども とりあえず70歳。70歳になって元気でしたら80歳まで。
とにかく死ぬまで現役で居たいなと思っているんです。
興味津々な子供たちのようすが印象的でしたが、からくり時計
一つ一つ動きも違えば音色も違う 見ていて飽きないですね
佐藤さんからくり時計を30作、作ってきたんですがしばらくお休みをすることになったんです。

インターネットの普及で注文が凄く増えてしまって時計の修理が大忙しになったんです。

今まで子供に時計を大事にしてもらいたいなという気持ちを伝えていたんですが、

今度から古い時計を大事にする人の思いも 大事に応えて行きたいと、修理に専念されることになったわけです。

ただ子供たちにはこれまで作ってきた作品を これからも見せていきたいなと言うことと、

また余裕が出来たらからくり時計も再会をしたいと仰っていました。

「ふっかつもあるかも・・」「ねぇ・・」「楽しみに待っている方もね」

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